「HEX」というスケボークルーザーが届きました!
移動専用ミニクルーザーを掲げ、クラウドファンディングプラットフォームMakuakeにて先行販売されたHEX。
うしろに進まない独自の特許構造や、文字通りのハチの巣状デッキデザインなどで、一部のスケーターから話題を集めていました。
そんなHEXを、筆者もこのたび無事に入手することができましたので、実際に乗ってみた感想を紹介します。
「うしろに進まないとはどんな機構なのか?」「デッキの強度は?」「本当に簡単に乗れる?」など、疑問に思っていたことをレビューしていくぞ!
クラウドファンディングでしか入手できなかったHEXですが、
ついに一般販売され、
一般販売記念セール実施中で、公式サイトから購入できます!(2024年11月1日時点)
>>公式サイト:https://hexcruiser.shop/
【セール価格】
コンプリート(メンテナンスツール&ブッシュ付き):23,300円→19,805円
コンプリート(メンテナンスツール&ブッシュ&リーシュコード付き):26,200円→21,930円
デッキ単体(ブッシュ付き):9,990円→8,415円
インスタグラム:https://www.instagram.com/hexcruiser/
HEXとは?移動に特化した新しいミニクルーザー
HEXとはどのようなクルーザーなのでしょうか?
公式サイトには、次のような説明が書かれています。
HEX™は、日本発の移動専用ミニクルーザーです。
https://hexcruiser.com/
うしろに進まない独自の特許構造で、バランスを崩しにくく、気軽にクルーズを楽しめます。
HEX™でのクルージングは、街を自由自在に移動し、時間と距離を縮めるだけではなく、日常のルーティンを脱出し自由で特別な気分を味わうことができます。新たな自由自在でスタイリッシュな移動を、ぜひ体験してみてください。
「街中の移動に特化し、日常を自由にする」そんなクルーザーのようですね。
早速開封してみましょう。
パッケージの段ボールにもHEXのプリントがされており、梱包にもこだわりが見られます。
外見からは、今までのスケボーになく肉をそぎ落とし軽量化され、ハニカム構造により強度を維持している、そんな思想がシンプルに伝わってきます。
見た目から感じるこだわり、期待通りなのかどうか、実際に乗って検証していくぞ!
HEXを様々な角度から検証・評価
サイズ、重量
デッキサイズ比較 | HEXのデッキサイズ |
HEXのデッキサイズは全長約48cm。
代表的なミニクルーザーのペニー22インチが約56cmであることを考えると、非常にコンパクトです。
様々なバッグに入れて持ち運べるサイズといえるでしょう。
重量は2kg程度となりました。
ペニー22インチが公式で1.9kgとの表記でしたので、だいたい同じような重量でしょうか。
HEXはペニーに比べるとトラックが大型で重量もあるが、軽量なデッキ(板部分)によって全体の重量を抑えているようだな
乗り心地
大きめのウィール、幅の広いトラックにより非常にスムーズで抜群に安定感のある乗り心地。
全長が短いので踏ん張りが効かないのかと思いきや、前後のバランスの取りずらさも全く感じませんでした。
デッキの前足を乗せる部分が広く作られているのと、デッキの全長に対して取れるスタンスの幅が広めなのが、ちょうど良いスタンスを生んでいるのかもしれません。
また、ウィールベース(前ウィールから後ろウィールまでの距離)がペニー22インチより広いのも、安定性アップに一役買っているのでしょう。
開封時の状態ではブッシュが硬く(101A)、旋回性能はほぼありません。しかし、好みによって曲がるようにカスタムできれば、より楽しみの幅が広がるのではないでしょうか。
安定性重視の開発コンセプトからは少し外れてしまうかもしれないが、スケボーは自由なものだからOKだ!
うしろに進まないとは?
HEXの特長の中でも個人的に気になっていた「うしろに進まない機構」。
どのようなものなのか、ちょっと解体して確認してみました!
トラックからウィールを外してみると・・・
足回り部品 | 左がワンウェイベアリング |
フロントトラックの内側の2つのみ、厚みの違うベアリングが使われていました。
このベアリングがうしろに進まない機構の正体のようです。
これを2か所に搭載することによって、うしろに進まなくなっているんですね。
手で回してみてもかなり強い力でロックされるので、うたい文句に嘘はないように思います。
初めてスケボーに乗る時、まずハードルとなるのがデッキの不安定さ。おそるおそる両足を乗せるのですが、デッキが前後に動いてしまうので乗ること自体が難しいのです。
HEXは前方向にしか進まないため、スケボーが動きにくく、格段に乗りやすくなるでしょう。
初心者のみならず、小石に詰まってスケボーがうしろに飛んでいくような経験をした人は多いと思う。安全性の観点でも優れた機構ではないだろうか
検証動画
筆者が坂道で実際に乗ってみて、挙動を撮影してみました。
うしろ側へ戻る方向には抵抗がありますが、体重が乗っている状態では重力に引っ張られて緩やかに後退します。
ガチガチにロックされているのではなく、うしろへは戻りにくいが、強い力がかかるとゆっくり戻るという挙動になるようです。
途中で降りてしまえば止まるので、坂の途中で降りてピックアップ、徒歩に切り替えがスムーズにできそうです。
「降りたら坂の下まで転がって行ってしまう」ということがなくなるので、周囲に配慮したクルージングができるな
デッキデザイン、その合理性
他に似た形状を探すのが難しいほど、全く新しいと言って良いデザインのHEX。
ハチの巣状に肉抜きされたデッキですが、非常に強度があり、中央を通る竜骨を思わせる梁によって、ほぼたわみません。
ただし、この部分の反発を利用して、ポンピングやカービングを行えるような強い反発はありません。あくまでも、前足を快適に置いておく場所といった役割と考えたほうがよいでしょう。
逆に後ろ側は狭くなっており、土踏まずでホールドするように足を置けます。カーブできるセットアップにする人は、ペニーのような細い板に近いフィーリングでコントロールするとよいでしょう。
デッキテープや、それに代わる加工などはデッキに施されていませんが、前足を置く部分のみフットアンカーがあります。軽くポンピングしてみても、足のずれは気になりませんでした。
足ずれ防止加工がないのは、安定性重視のコンセプトから来るものかもしれません。
外見の印象としては、樹脂製デッキらしくフレックスと反発を利用した乗り方をするデッキなのかと思ったが、実際には完全に安定性重視の硬いデッキだったな
持ち運びやすさ
HEXのデッキ全長は48cm、幅23cmと非常にコンパクト。
そのままでも持ち運びやすいように取手が付いているのも便利で、重量も軽めなので、持ち運び性能は高いといえます。
何より、そのまま持っていても違和感のないシンプルなデザインで、どんな服装にも合いそうなのが高ポイントだな!
ポンピングはできる?
開封時のセッティングでは、硬くあまり反発しないブッシュが使われており、ポンピングはほとんどできません。
ただし、ブッシュ交換、ライザーパット交換などのセットアップ次第では快適にポンピングが可能です。
HEXでポンピングできるよう、筆者が行ったセットアップは、次の記事をぜひ参考にしてください。
HEXはおすすめできる?経験者も楽しめる?
結論から言うと、HEXは初心者にも経験者にもおすすめできます。
ミニクルーザーに多い不安定感が非常に少なく、安定した乗り心地は他にはあまりないものであり、まさに快適という感覚でした。
都市部の移動を楽しくする、短距離の走行を想定したコンセプトかと思うのですが、この快適さは長距離のクルージングでも疲れにくく楽しめるでしょう。
一方で開封時の状態ではカービング性能がないため、クルーザー経験者には物足りなさがあるでしょう。
しかし唯一無二のデッキを入手してカスタムできるだけでも十分な楽しみになりますし、ひょっとするとパーツの相性によっては今までになかった相棒を手に入れられるかもしれません。
誰にとっても、手に取って損のないクルーザーに仕上がっていると思う
まとめ
新しいスケボーとして、クラウドファンディングから始まったHEX。
クラウドファンディングは開始5分で目標を達成したようで、プロジェクトも好調なようです。
現在は一般のルートでの販売はまだありませんが、今後の展開にも期待していきたいですね。